Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
その先達に初歩を教わってこの道に入りましてから、今年でもう十六年になりますが、杖とも思うは実にこの書で、一日もそばを放さないのでございますよ。霊魂不死という事を信じてからは、死を限りと思った世の中が広くなりまして、天の父を知ってからは親を失ってまた大きな親を得たようで、愛の働きを聞いてからは子を失くしてまたおおぜいの子を持った心地で、望みという事を教えられてから、辛抱をするにも楽しみがつきましてね――
私がこの書を読むようになりましたしまつはまあざッとこんなでございますよ」
かく言い来たりて、老婦人は熱心に浪子の顔打ちまもり、
「実は、御様子はうすうす承っていましたし、ああして時々浜でお目にかかるのですから、ぜひ伺いたいと思う事もたびたびあったのですが、――それがこうふとお心やすくいたすようになりますと、またすぐお別れ申すのは、まことに残念でございますよ。しかしこう申してはいかがでございますが、私にはどうしても浅日のお面識の方とは思えませんよ。どうぞ御身を大事に遊ばして、必ず気をながくお持ち遊ばして、ね、決して短気をお出しなさらぬように――御気分のいい時分はこの書をごらん遊ばして――私は東京に帰りましても、朝夕こちらの事を思っておりますよ」