Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

八の二

二人ともに振りかえりて、女は美しく染めたる歯を見せてほほえみしが、また相語りつつ花茨こぼるる畦路に入り行きたり。

浪子の目はそのあとを追いぬ。竹の子笠と白手ぬぐいは、次第に黄ばめる麦に沈みて、やがてかげも見えずなりしと思えば、たちまち畑のかなたより

「郎は正宗、わしア錆び刀、郎は切れても、わしア切れエ――ぬ」

歌う声哀々として野づらに散りぬ。

浪子はさしうつむきつ。

ふりかえり見し父中将は

「くたびれたじゃろう。どれ――」

言いつつ浪子の手をとりぬ。

八の二

中将は浪子の手をひきつつ

「年のたつは早いもンじゃ。浪、卿はおぼえておるかい、卿がちっちゃかったころ、よくおとうさんに負ぶさって、ぽんぽんおとうさんが横腹をけったりしおったが。そうじゃ、卿が五つ六つのころじゃったの」

「おほほほほ、さようでございましたよ。殿様が負ぶ遊ばしますと、少嬢様がよくおむずかり遊ばしたンでございますね。――ただ今もどんなにおうらやましがっていらッしゃるかもわかりませんでございますよ」と気軽に幾が相槌うちぬ。

浪子はたださびしげにほほえみつ。

「駒か。駒にはおわびにどっさり土産でも持って行くじゃ。