Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
右の通りの次第なれば、それ御前の御機嫌がわるいといえば、台所の鼠までひっそりとして、迅雷一声奥より響いて耳の太き下女手に持つ庖丁取り落とし、用ありて私宅へ来る属官などはまず裏口に回って今日の天気予報を聞くくらいなりし。
三十年から連れ添う夫人お慶の身になっては、なかなかひと通りのつらさにあらず。嫁に来ての当座はさすがに舅や姑もありて夫の気質そうも覚えず過ごせしが、ほどなく姑舅と相ついで果てられし後は、夫の本性ありありと拝まれて、夫人も胸をつきぬ。初め五六度は夫人もちょいと盾ついて見しが、とてもむだと悟っては、もはや争わず、韓信流に負けて匍伏し、さもなければ三十六計のその随一をとりて逃げつ。そうするうちにはちっとは呼吸ものみ込みて三度の事は二度で済むようになりしが、さりとて夫の気質は年とともに改まらず。末の三四年は別してはげしくなりて、不平が煽る無理酒の焔に、燃ゆるがごとき癇癪を、二十年の上もそれで鍛われし夫人もさすがにあしらいかねて、武男という子もあり、鬢に白髪もまじれるさえ打ち忘れて、知事様の奥方男爵夫人と人にいわるる栄耀も物かは、いっそこのつらさにかえて墓守爺の嬶ともなりて世を楽に過ごして見たしという考えのむらむらとわきたることもありしが、そうこうする間につい三十年うっかりと過ごして、そのつれなき夫