Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
「可哀そうに、あの弁護士もひょっとすると戦死したかも知れません」と主婦は岸本に話し聞かせた。隣室にはあのノルマンディあたりの生れの人にでも見るような仏蘭西人が残して置いて行った蔵書や雑誌の類がそっくりそのままにしてあった。岸本はその空虚な部屋を覗いて見て、悽惨な戦争の記事を読むにも勝る恐るべき冷たさを感じた。その冷たさが壁一重隔てた自分の部屋の極く近くにあることを感じた。岸本は屋外へ出て日頃よく行く店へ煙草を買いに寄って見た。そこの亭主はまた片脚失うほどの負傷をして今は戦地の病院の方に居るとのことで有った。
午後に牧野が訪ねて来た。リモオジュからリオンの方へ分れて行った美術家の連中が既に巴里へ帰っていることを岸本は牧野の話で知った。ずっと巴里に残っていた一二の画家もあったことを知った。
「牧野君、町を見に行こうじゃ有りませんか。こんなに巴里が寂しくなってるとは思いませんでしたね」
「リオンの連中が帰って来た時はもっと寂しかったそうです」
岸本は牧野と二人で話し話し宿を出た。サン・ミッセルの通りまで行って、例の「シモンヌの家」の人達を見に一寸立寄った。