Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
完全に捕虜とされたのである。
五人、十人、二十人と、見ている間に信徒達は、侵入軍の餌食となった。そうして漸次信徒達は、小路小路へ追い詰められた。
今、二十騎の侵入軍が、その紅巾を波立たせながら、一つの小路へ駆け込んで行った。と、怒号悲鳴が起こり、続いて凄じい剣戟の音が、耳を突裂いて鳴り渡ったが、再び蹄の音がして、さっきの二十騎の紅巾の群が、小路の口から現われ出た時には、十人の捕虜を提げていた。
真昼の太陽が燃えている。青嵐が吹き靡いている。富士を始め山々は、教団を巡って穏かに聳え、自然には何んの変化もない。
それだのに下界では無数の人が、殺し合い奪い合い犇めき合っている。雲のように立ち上る砂塵、踏みにじられた川岸の花、死にかかっている馬や牛、ここにある物は何も彼も、一切無惨しく破壊されてある。
「平和の楽土ではなかったのだ。ここもやはり浮世だったのだ」
逃げ迷う人波に揉まれ揉まれいつとも知らず庄三郎は「聖壇」の下まで来てしまったが、心の中でこう呟いた。
「いつの時代であれ、どんな土地であれ、呼吸のある人間の住んでいる限りは、戦いというものは避けられないのであろう。