Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
第七回
一
正観せよ! 正思せよ! 輪廻を断滅脱離せよ! その時こそ救われるであろう。……仏様よ、妾は羅漢として、今こそ勤めを終りました! これから妾は女として、優しい弱い女性として、あなたの懐中へ参ります。ああもう妾は眼が見えない。妾の両眼は焼け爛れた、でもあなたのお姿は円満慈悲のお姿は、よく見えるのでござります」
火の手がドッと燃え上がり、全く彼女を包んだ時、彼女の叫びは絶えたそうである。そうしてその火が消えた時、真っ黒に焼けた彼女の躰が、黒い夜空を背景にして突っ立っていたということである。
寂然と更けた纐纈城、耳を澄ませば地下に当って、物の呻くような音がする。人間の血を無限に貪る、血絞り機械の音である。類い稀れなる美しい布――纐纈布を作るため、夜も昼も間断なく機械は廻転されるのである。
第七回
一
「ふざけちゃいけねえ、ふざけちゃいけねえ」例の三白眼を光らせながら高坂甚太郎は怒鳴るのであった。「それじゃ約束が違うじゃねえか。うん、それじゃ約束が違う! どうしてくれるんだよ。どうしてくれるんだよ」
「へえ、約束が違いますかな。しかしどうも私としては、何んともご挨拶が出来ませんのでな」