Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
四
「お勇しいことでございましたな」感に堪えたように主水は云った。
「が、後がよくなかった」
こう云うと蔵人は憮然として、長髪の端をまさぐった。
四
「と云うのは他でもない」やがて蔵人は云いつづけた。
「顔を見たのだ、熊の顔をな! すると私はゾッとした。なんと熊は笑っているではないか! そうだ、熊は笑っていたのだ」
見る見る蔵人の眼の中へ、憂愁の色が漂ったが、
「猛獣などとは思われないほど、本来熊の顔は可愛らしいものだ。しかし熊は死んでいるのだ。罪もないのに殺されたのだ。それだのにその顔が笑っているのだ。あっと思った一瞬間、これまで戦場で首を刎ねた、幾十とも知れぬ敵の首が、ズラリと眼の前に現われたではないか! そうして皆な笑っているのだ!」
こう云うと蔵人は眼をとじた。
と、主水も松虫も、にわかに鬼気に襲われたかのように、互いに顔を見合せたが、云い合せたように吐息をした。
華やかに見えていた部屋の中を、一筋黒い何者かが掠めて通ったように思われた。そうしてそこへだけ大きな穴が、ポッカリ開いたように思われた。
と、蔵人は云いつづけた。
「その時以来、武功というものが、値打ちのないものに思われて来てな。