Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

第三回

一

と、ヌッと鎌首を上げ、陶器師は呼び止めた。

「肋、一本、置いてきなせえ!」

「何?」と武士は振り返る。ポンと陶器師は竈の蓋を物も云わずに持ち上げた。とたんににょきり現われたのは、素焼きの陶器であらばこそ蒸し焼きにした人間である。

「肋、一本、置いてきなせえ!」

陶器師はまた云った。金を置けという謎である。

「ははあさては貴様だな」若い武士は驚きもせず、パッと編笠をかなぐり捨てると、つかつかと竈の方へ近寄った。

「富士の裾野に陶器師と云う賊のいることは聞いていた。ははあさては貴様だな」

「おおさ俺が陶器師さ。ところでお前さんは何者だね?」

「ご覧の通りの旅侍さ」

「ちっとばかり骨がありそうだね」

「アッハッハッハッ、そう見えるかな」

「容易に金は置いてはゆくまい」

「お手の筋だ。さてそれから?」

「手数をかけたそのあげく、竈の中で往生かね」

「お前がか? それともこの俺がか?」

「こりゃ面白え、いい度胸だ。……ひとつ宣りが聞きてえものだ」

「いと易いことだ。宣ってやろう。武田の家臣土屋庄三郎だ」

第三回

一

「武田の家臣で土屋庄三郎? なるほど」

と云ったが陶器師は別に驚いた様子もない。