Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
二
その様子があわただしくいかにも恐怖に充ちていたので庄三郎も気味悪くなった。
「ともかく甲府へ帰ることにしよう」
――で、庄三郎は歩き出した。
二
庄三郎は足を早め裾野をさして下って行った。
上るに苦しく下るには易い。これは山登りの常法ではあるが富士は一層その感が深く、殊に戦国のこの時代には道らしい道などはなかったので、登山の困難は想像にも及ばずわずかに不退転の心を抱いて深山幽谷を跋渉する、役ノ優婆塞の亜流ぐらいが時々参詣するぐらいであったが、それが、一旦下りとなり砂走りの中へでも踏み入ろうものなら一刻の間に流砂と共に裾野まで一のしにのしたものである。――これ須走りの語源である。もっともそれは東口駿河の国に向いた方のある一所に限られたことで、庄三郎が下りつつある北口吉田方面には、そういう所はないのであった。で、裾野へ下りようとするには一歩ずつ歩かなければならなかった。
庄三郎は足を早め裾野をさして下って行く。
彼の歩いているその辺はどうやら富士も五合目らしく、その証拠には木という木がほとんど地面へ獅噛み付いている。そうしてその木の種類といえば石楠花、苔桃の類である。