Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate
三
「では当然と思しめすか」
「当然と思う。当然と思うぞ」
「ではお怨みなさいますな」
「あくまでも怨む。活かしてはおかぬ!」
「それでは筋が立ちませぬ」
「氷い間のこの憎念、一朝一夕には消し難い!」
陶器師の声は咽ぶがようである。
月子はあたかも教えるように、「それでは解脱は得られません」
「解脱? 解脱? カ、カ、カ」喉の奥で裂くように笑い、「解脱とは何んだ! 解脱とは何んだ! 永世輪廻よ! 永世輪廻よ! 活き変わり死に変わり人を殺すのよ!」
「そうした果てにどうなさります?」
「そうした果てにか? そうした果てにか? やはり人を殺すのよ」
「救われないお方。救われないお方」
「しかし俺よりもっともっと悪虐な人間がこの世にいる!」
「それはどなたでございましょう?」
「纐纈城の城主よ!」
「仮面の悪魔! 悪病の持ち主! あれは人間とは云われません」
「……俺も最後にはあそこへ行こう。そうして毒血を絞られよう」
「いいえ」と月子は厳かに云った。「富士教団へおいで遊ばせ! そこでこそあなたは救われましょう」
三
しかし陶器師は返辞をしない。顫える手先で箱の蓋をとるとそれを月子の手へ渡した。