Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いあいしゅう

遺愛集

島 秋人

Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate

Aozora Bunko

(以下略)

十二月四日午後島秋人

青空に己がさびしと思ふことゆだねて独り仰ぎてゐたり

亡母と居る不思議に気付き初夢は覚めて死刑の己れのみあり

病むながく瀬峰に老いて春を待ち煙のみなる汽車を見ると云ふ

ほのかなる土の匂ひのさびしかり春陽に白き湯気のたちつつ

愛しさをふかく心にひそめ生き孤つ灯に吐く独語のありぬ

水仙の残りのつぼみ咲くまでは水代へてやりぬ獄窓の日向に

春来れば死刑囚なれどゆとり生まれ安らふまみに青き天あり

老被告理髪待つ間のまみ細め罪なき如く耳かきてをり

日溜りの広きにすずめ降り来しが惜し気なく去ぬるを獄窓に視てをり

霜燒けがなほりてシャツを洗ふなり幾度も濯ぎかたくしぼれる

風邪引きし保安課長と語り了へ風邪を引くなと云はれたりけり

四歳のじゅんいちと云ふ児を知りぬ母亡き故に笑はぬとあり

美しき靴のみ選りてかくすくせもてる園児は母亡き児なり

愛に飢うる母の亡き児にかくされし靴を保母らはさがし得ぬと云ふ

容疑者とつめたき目もて視なさるる母亡き幼児を獄に知りたり

かくされし靴の出て来ずおだてれば得意顔して出して来ると云ふ

若き保母母亡き幼児の添ひ来るに背をさすらせて母情を知らす