Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
ばなるまい。しかもその戦いは敗るるにきまっており、その惨禍は、祁山へ出て戦う百倍もひどいものを見ただろう。しかのみならず、汝らはじめ蜀の民は、今日の戦後に働くどころの苦しみではなく、魏や呉の兵に、家も国土も蹂躙され掠奪凌辱のうき目にあうはいうまでもなく、永く呉の奴隷に落され、魏の牛馬にされて、こき使わるるは知れたこと。――きょうの不平と、その憂き目と思い較べて、いずれがよいと欲しているか」
内官たちは皆、ふかく頭を垂れたまま、一言の言い訳もできなかった。
「――しかし、恐らくこれは、敵国の謀略だろう。いったい、わが軍、官、民の離反を醸すような風説は、誰から出たのか。卿らは誰から聞いた」
その出所をだんだん手繰ってみると、結果、苟安という者であるということが明瞭になった。
すぐ相府から保安隊の兵がその住居へ捕縛に向ったが、時すでに遅かった。苟安は風を喰らってとうに魏の国へ逃げ失せていた。
孔明は、百官を正し、蒋、費などの大官にも厳戒を加え、ふたたび意気をあらためて、漢中へ向った。
連年の出師に兵のつかれも思われたので、今度は全軍をふたつに分けて、一半を以て、漢中にのこし、一半を以て、祁山へ進発した。