Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
死せる孔明、生ける仲達を走らす
一
死せる孔明、生ける仲達を走らす
一
一夜、司馬懿は、天文を観て、愕然とし、また歓喜してさけんだ。
「――孔明は死んだ!」
彼はすぐ左右の将にも、ふたりの息子にも、昂奮して語った。
「いま、北斗を見るに、大なる一星は、昏々と光をかくし、七星の座は崩れている。こんどこそ間違いはない。今夕、孔明は必ず死んだろう」
人々は急に息をひそめた。敵ながらその人亡しと聞くと何か大きな空ろを抱かせられたのである。仲達もまさにその一人だったが、老来いよいよ健なるその五体に多年の目的を思い起すや、勃然と剣を叩いて、
「蜀軍に全滅を加えるは今だ。――準備を伝えろ。総攻撃を開始する」
司馬師、司馬昭の二子は、父の異常な昂奮に、却って二の足をふんだ。
「ま。お待ちなされませ」
「なぜ止めるか」
「この前の例もあります。孔明は八門遁甲の法を得て、六丁六甲の神をつかいます。或いは、天象に奇変を現わすことだってできない限りもありません」
「ばかな。愚眼を惑わして、風雨を擬し、昼夜の黒白をあやまらす術はあっても、あのあきらかな星座を変じることなどできるものではない」
「でも、いずれにしろ、孔明が死んだとすれば、蜀軍の破れは必至でしょう。