Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
二
何事かと、仰天して、物の具をまとうや否や、孟達は城のやぐらへ駈けのぼった。見れば、暁風あざやかに魏の右将軍徐晃の旗が壕近くに見えたので、
「や、や、いつの間に」
と、弓をとって、その旗の下に見える大将へひょうと一矢を射た。
何たる武運の拙なさ。
徐晃は、この朝、攻めに先だって、真額を射ぬかれ、馬からどうと落ちてしまった。
二
緒戦の第一歩に、大将を失った徐晃軍は、急襲してきたその勢いを、いちどに怯ませて、先鋒の全兵みな、わあと、浮き足たった。
城のやぐらからそれを眺めた孟達は、いささか勇気を持ち返して、
「わが大事は、露顕したらしいが、射手の勢は、多寡の知れた人数。しかも大将徐晃はただ一と矢に射止めた。蹴ちらす間には、やがて金城、上庸の援軍も来る。衆みな門を出て、怯み立った寄手どもを一兵のこらず屠ってしまえ」と、金城へ急命を出した。
城兵は各門から突出して、魏兵を追いくずした。孟達も馬をすすめ、
「あな快や」と、敵勢を薙ぎ伏せ、蹴ちらして、果てなく追撃を加えた。
しかし追えば追うほど、敵兵の密度は増し、濛々の戦塵とともに敵陣はますます重厚を加えてくる。――はてな? と孟達がふと後ろを見ると、何ぞはからん、翩翻として千軍万馬のうえに押し揉まれている大旗を見れば、「司馬懿」