Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate

Aozora Bunko

四

ところが先発した司馬昭が、先陣の張に会って、すでに街亭には、蜀旗翩翻たるものがあると聞かされ、

「それでは、自分の一存で、うかと手出しはできない」

と、急遽引っ返して、父の仲達に、その趣を話した。

「ああ、さすがは孔明。――神眼。迅速。……もう遅かったか」

仲達は非常におどろいて、しばし茫然としていた。

四

司馬懿はその本陣をややうごかして、街亭、箕谷、斜谷の三面に遺漏なき触覚をはたらかせた。

「ひそかに来いよ」

一夜、彼はわずか十騎ほど連れて、前線へ微行した。

月明を利して、ひそかに敵近き四山を巡り、やがて一高地から蜀の陣容を望んで、

「こは何事だ」と一瞬、唖然とした後、左右をかえりみて、

「有難し有難し。天の助けか、蜀は絶地に陣をとり、自ら敗北を待っている」

と語り、本陣へ帰るやいな、帷幕の参軍たちを呼び集めて、

「街亭を守る蜀の大将はいったい誰か」と、訊ねた。

そして、馬謖なりと聞くと、彼はわらって、

「千慮の一失ということはあるが、孔明にも、人の用い方に過ることもあるか。山を守っている、蜀の大将はまさしく愚物だ。一鼓して破ることができよう」

と、よろこび斜めならずだった。