Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
二
二
立ち別れたが、費はあわてて、趙直のほうへ戻って、もう一度、こういった。
「今のこと、誰にも云い給うな。たのむぞ」
「え。今のこととは」
「足下の語った魏延の夢のはなしをだ」
「ああ、よいとも」
趙直に途中で会った顔はどこにも見せず、その夜、費は魏延の陣所へ来て、彼と対談していた。
「今夕参ったのは、ほかでもない、昨夜ついにわが丞相は薨ぜられました。そのご報告に来たわけです」
「えっ、ほんとか」
日頃孔明を目の上の瘤としていた魏延も、さすがに驚愕してしばし茫然の態だった。
――が、たちまち云い出した。
「いつ喪を発するかね」
「喪はしばらく発するなかれとご遺言でありました」
「丞相に代って、軍権を執るものは誰となっておるな」
「楊儀に命ぜられました。また、兵法密書口伝は、生前ことごとく姜維に授けられたようで」
「あんな黄口児にか。……ま、それはいいが、楊儀はむしろ文官向きな人物ではないか。孔明亡しといえども、なお魏延がおる。楊儀はただ柩を守って国へ帰り、地を選んで葬りをなせばそれでいい。――五丈原頭の蜀軍は、かくいう魏延が統べて、魏を打ち破ってみせよう。孔明ひとりがいなくなったからといって国家の大事を止むべきでない」