Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate
六
の威徳が植えられていたものであるが、その後漢の治世も蜀帝、魏帝以降となっては、天下の信望は全く地に墜ちて、民心は完全に漢朝から離れ去っていたものなのである。
劉玄徳が、初めて、その復興を叫んで起った時代は、実にその末期だった。玄徳としては、光武帝の故智に倣わんとしたものかもしれないが、結果においては、ひとたび漢朝を離れた民心は、いかに呼べど招けど――覆水フタタビ盆ニ返ラズ――の観があった。
ために、玄徳があれほどな人望家でありながら、容易にその大を成さず、悪戦苦闘のみつづけていたのも、帰するところ、部分的な民心はつなぎ得ても、天下は依然、漢朝の復興を心から歓迎していなかったに依るものであろう。
同時に、劉備の死後、その大義名分を、先帝の遺業として承け継いできた孔明にも、禍因はそのまま及んでいたわけである。彼の理想のついに不成功に終った根本の原因も、蜀の人材的不振も、みなこれに由来するものと観てもさしつかえあるまい。
六
「三国志演義」のうちの本文にしばしば見るところの――身に鶴を着、綸巾をいただき、手に白羽扇を持つ――という彼の風采の描写は、いかにも神韻のある詩的文字だが、これを平易にいえば、