Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Leggi 三国志(八) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.604 caratteri · 391 schermate

Aozora Bunko

三

駒も疲れ、身も疲れ、趙雲は仆れるように、樹下の石へ腰をおろした。

そしてさし昇る月を仰いで独り哭いた。

三

たちまち、石が降ってきた。雨とばかりに。

大岩がごろごろ落ちてきた。雪崩かとばかりに。

「敵か」と、趙雲は、息つく間もなく、ふたたび疲れた馬に鞭うって奔った。

すると月明の野面を黒々と一彪の軍馬が殺奔してくる。白き戦袍に白銀の甲は、趙雲にも覚えのある大将である。彼はわれをわすれて、こなたから手を振った。

「おおいッ。張苞ではないか」

「やあ、老将軍ですか」

「いかにしてこれへは?」

「丞相のご命です。過日、芝から勝ち軍のご報告があるや否や、危うしとばかり、すぐ吾々に救急の命を発しられましたので」

「ああ、神察。して、貴公が左の手に持つその首級は」

「これへ来る途中、撃破して打ち取った魏の大将薛則の首です」

月光へさしあげて、莞爾とそれを示している所へ、さらに、反対の方角から、一軍隊が疾風のように馳せてきた。

「や、魏軍か」

「いや、いや関興でしょう」

待っていると、果して関興のひきいる一軍だった。父関羽の遺物の青龍刀を横ざまに抱え、鞍には、彼もまた、一首級をくくりつけていた。