Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
言いつつ手さぐりにマッチをすりてランプを点くるは、五十あまりの老女。
おりから階段の音して、宿の女中は上り来つ。
「おや、恐れ入ります。旦那様は大層ごゆっくりでいらっしゃいます。……はい、あのいましがた若い者をお迎えに差し上げましてございます。もうお帰りでございましょう。――お手紙が――」
「おや、お父さまのお手紙――早くお帰りなさればいいに!」と丸髷の婦人はさもなつかしげに表書を打ちかえし見る。
「あの、殿様の御状で――。早く伺いたいものでございますね。おほほほほ、きっとまたおもしろいことをおっしゃってでございましょう」
女中は戸を立て、火鉢の炭をついで去れば、老女は風呂敷包みを戸棚にしまい、立ってこなたに来たり、
「本当に冷えますこと! 東京とはよほど違いますでございますねエ」
「五月に桜が咲いているくらいだからねエ。ばあや、もっとこちらへお寄りな」
「ありがとうございます」言いつつ老女はつくづく顔打ちながめ「うそのようでございますねエ。こんなにお丸髷にお結い遊ばして、ちゃんとすわっておいで遊ばすのを見ますと、ばあやがお育て申し上げたお方様とは思えませんでございますよ。