Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
「でも、病気してからよくしてくださるのですよ。でもね、……武男にいろいろするのが、おかあさまのお気に入らないには困るわ! それで、いつでも此家ではおかあさまが女皇陛下だからおれよりもたれよりもおかあさまを一番大事にするンだッて、しょっちゅう言って聞かされるのですわ……あ、もうこんな話はよしましょうね。おおいい気持ち、ありがとう。頭が軽くなったわ」
言いつつ三つ組みにせし髪をなで試みつ。さすがに疲れを覚えつらん、浪子は目を閉じぬ。
櫛をしまいて、紙に手をふきふき、鏡台の前に立ちし千鶴子は、小さき箱の蓋を開きて、掌に載せつつ、
「何度見てもこの襟止はきれいだわ。本当に兄さんはよくなさるのねエ。内の――兄さん(これは千鶴子の婿養子と定まれる俊次といいて、目下外務省に奉職せる男)なんか、外交官の妻になるには語学が達者でなくちゃいけないッて、仏語を勉強するがいいの、ドイツ語がぜひ必要のッて、責めてばかりいるから困るわ」
「ほほほほ、お千鶴さんが丸髷に結ったのを早く見たいわ――島田も惜しいけれど」
「まあいや!」美しき眉はひそめど、裏切る微笑は薔薇の莟めるごとき唇に流れぬ。