Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
「何しろ高さ二丈もある熊笹を切り開いて途をつけるんですからね」と彼は右手を額より高く上げて、いかに熊笹が高く茂っていたかを形容した。その切り開いた途の両側に、朝起きて見ると、蝮蛇がとぐろを巻いて日光を鱗の上に受けている。それを遠くから棒で抑えておいて、傍へ寄って打ち殺して肉を焼いて食うのだと彼は話した。敬太郎がどんな味がすると聞くと、森本はよく思い出せないが、何でも魚肉と獣肉の間ぐらいだろうと答えた。
天幕の中へは熊笹の葉と小枝を山のように積んで、その上に疲れた身体を埋めぬばかりに投げかけるのが例であるが、時には外へ出て焚火をして、大きな熊を眼の前に見る事もあった。虫が多いので蚊帳は始終釣っていた。ある時その蚊帳を担いで谷川へ下りて、何とかいう川魚を掬って帰ったら、その晩から蚊帳が急に腥さくなって困った。――すべてこれらは森本のいわゆる呑気生活の一部分であった。
彼はまた山であらゆる茸を採って食ったそうである。ます茸というのは広葢ほどの大きさで、切って味噌汁の中へ入れて煮るとまるで蒲鉾のようだとか、月見茸というのは一抱もあるけれども、これは残念だが食えないとか、鼠茸というのは三つ葉の根のようで可愛らしいとか、なかなか精しい説明をした。