Classici giapponesi con furigana
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あんこくにっき
暗黒日記
清沢 洌
Leggi 暗黒日記 (あんこくにっき) di 清沢 洌 (きよさわきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.322 caratteri · 188 schermate
六月二十五日(日)
六月二十八日(水)
という質問を発したものは、一人もいなかった。第一にはそうしたことを考えるだけの前途観をもたぬことがその理由だが、第二にはそんな質問をすれば大変なことになる可能性があるからだ。質問だけでも拘引されるだろう。
吉田茂(前大使)が大磯あたりで話したものが、録音されて憲兵隊か警察にとってあるとか。誰かと外交問題について話したのを、部屋に機械を据えつけて録音されたのである――これは島中君の話。
六月二十五日(日)
隣家の天明郁夫という四十三歳の人応召。農会にて調査部長、企画部長として極めて有能な人である。ここにも相手選ばず徴集する方針を見る。隣家だから朝送る。隣組のもの何十名かが送る。けだし、恒例であるが精力消費の一例だ。昨夜も八幡樣で壯行会をやった。
六月二十八日(水)
尾崎行雄、大審院で無罪になる。例の不敬罪に対する判決であるが、三宅(正太郎)裁判長の名文が光る。
サイパン島に敵の大勢力上陸。上下に悲観の色ようやく現わる。鶴見君もサイパンへの敵進攻で「愕然として驚いた」という。彼は戰爭樂観者で、かつて軽井沢で僕の悲観論に対し「將來に見ましょう」と別れたのだ。