Classici giapponesi con furigana
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あんこくにっき
暗黒日記
清沢 洌
Leggi 暗黒日記 (あんこくにっき) di 清沢 洌 (きよさわきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.322 caratteri · 188 schermate
十一月十六日(火)
十一月十七日(水)
晩に前進座を見る。最初の時局劇の愚劣さ。軍事保護院の推薦で、情報局の後援だ。平凡無味な論文を、役者が読むようだ。石橋君いわく「あれで効果があると思っているのだろうか」と。これで軍事思想を宣伝しようというのだから、低劣驚くべし。
その次ぎの忠臣藏は眞山青果の脚色で、これはさすがに立派である。後世にのこるものであろう。
十一月十六日(火)
講演のために東北に出発。相変らず混む。が、前方に二等車あり。そこで坐ることができた。女中を長いあいだ待たせて、やっとの思いで席をとったのである。改札一時間前に來たのでは乘車もできぬ。隣席の紳士の話では、九州からくる手紙は多く開封されると。国内で相互に疑い合って、果して戰爭ができるか。
飯坂温泉の花水館に宿す。
十一月十七日(水)
東京からの汽車中では、白柳秀湖氏の「安曇族の研究」を読む。よく研究してあるが、僕にはこうしたものには興味が持てない。そこで今日はシーレーの「英国膨脹論」を読む。これはさすがに面白い。英国のクラシックは僕にピーンとくるのである。
英国の膨脹はつねに戰爭の圈外に立ったからである。日本が日清、日露――少くも日露の戰爭をしないで、バランス・オヴ・パワーをにぎり、英国的海洋政策にのり出していたならば、どうであったろう。