Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
「次郎のほんとのお家は、いったい何処だね。」
飯時などに、時たま、お祖母さんがそんなことを言って笑ったりするので、みんなも次郎の来ているのに気がつき出すくらいであった。
本田では、俊亮と、お民と、お祖母さんとが、まるでべつべつの気持で、いつもそれを問題にしていた。お民は、自分の感化がちっとも次郎に及ばないのをくやしがった。そしてその罪をいつもお浜に被せた。
お祖母さんは、次郎の行末などには、まるで無頓着だったが、口先だけでは、いつも、
「あの子にも困ったものだ。」
と、いかにも歎息するらしく言い、そして、最後にはきまって、
「ああ何時も何時も、あちらにばかり入浸っているのを、私という老人もいながら、放っとくわけにもいくまいではないか。」と言った。
俊亮は、二人が、めいめいに自分の立場だけからものを考えるのを、にがにがしく思った。そして、どうかすると、いっそ次郎を正木に預けてしまおうか、と考えたりした。
「なあに構うことはない。当分、次郎の好きなようにさしておくさ。」
俊亮は、母や妻がやかましく言えば言うほど、のんきそうに構えて、そんなことを言った。そのくせ、土曜に帰宅してみて、次郎がいなかったりすると、すぐ、自分で正木に出かけて行って、彼をつれて帰るのだった。