Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

が、ここに一番困ったことには、家中一般の同情が、密夫密婦に蒐まって密夫されたお前に集まらなかったことだ。『北条内記の面相なら、連れ添う女房でも厭になろう』『その女房の園女と来ては、家中一等の美人だからな』『うまくやったは伴源之丞、あの園女を手中に入れ、他国するとは果報者だ』『そのまた伴源之丞と来ては、家中一番の美男だからな。似合いの夫婦というやつさ』などと蔭口を利いたものさ。さすがのお前も参ったらしい。そこで北条家を浪人し、気の利かねえ女敵討ち、なるほど思い出は辛かろうな」

毛利薪兵衛は面白そうに、後から後からと毒吐いた。

「さて、ところで、ここに一つ、お前に聞かせてえことがある。他でもねえ居場所だ。密夫密婦の居場所だ。チラリと俺は聞き込んだ。どうだどうだ聞きたかろう。甲府の城下で聞いたのさ。よかったら聞かせてやってもいい。が、只じゃあ勿体ねえ。いくらかよこせ、え、いくらか」

陶器師は返事をしなかった。ゆるゆると彼は寝そべった。右手を敷いて枕とし、左手を脇腹へ自然に置き、唇を閉じ眼を瞑ぎ、寂然として聞いていた。

「おいどうした、陶器師殿、痩我慢なら止めるがいい。