Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

陶器師はガックリ項垂れた。

「弱いお方でございますこと」

「弱い?」とグイと顔を上げ、「この陶器師を弱くするのは天下にお前だけだ」

「弱いお方でございますこと」

「うん、弱いとも。俺は弱者だ!」またガックリ項垂れた。肩を細く刻むのである。

と欷歔の声がした。陶器師が泣いているのだ。……月子は静かに手を延ばしたが鑿と槌とを取り上げると、サク、サク、サクと刻りかけの仮面を、巧妙な手練で刻り出した。プンと馨る楠の匂い、仮面材は年を経た楠の木なのである。パラパラと零れる木の屑は彫刻台の左右に雪のように散り、また蛾のように舞うのもある。

仮面は能面の重荷悪尉で、狭い額、円の眼、扁平の鼻、カッと開いた口、顎に垂らした白い髯、眼下の頬に畳まれた蜒々とした縦横の皺――すべて陰深たる悪人の相で、恋の重荷を負いながらその重量に耐えかねて、死んで女御に祟ったという、山科荘園の幽霊に、象り作った仮面である。

洞窟の中は寒かった。氷のような冷たいものがひしひしと肌に逼って来る。洞窟の中は薄暗かった。岩を刳り抜いて作られた龕から、獣油の灯が仄かに射し、石竹色の夢のような光明が、畳数にして二十畳敷きほどの、洞窟の内部を朦朧と烟らせ、そこにあるほどの器具類を――岩壁に懸けられた円鏡や、同じく岩壁に懸け連ねられた三光尉、大飛出、小面、俊寛、大見