Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
「世田谷の魔法博士の洋館はしらべてくださったのでしょうね。」
明智は、ベッドに横たわったまま、力のない声で言いました。
「むろん、しらべました。しかし、だれもいないのです。まったくの空家です。あいつはねじろをかえてしまったのに、ちがいありません。」
「やっぱりそうですか。で、どこへかくれたのか、すこしも手がかりがないのですね。」
「そうです。いまのところ、なんの手がかりもありません。魔法博士というやつは、じつにふしぎな怪物です。」
警部は、ため息をつかぬばかりに、言うのです。
読者諸君、この会話は、なんだかへんではありませんか。明智は、小林少年の手紙を受けとっているのに、そのことは何も言いません。では、さっきの少年は、例の手帳の紙を持って来たのではなかったのでしょうか。いや、そんなはずはありません。それには、何かわけがあるのです。きっと深いわけがあるのです。
そういえば、島田のほうもつまらないことを、いつまでもしゃべっていて、ここへ何をしに来たのだか、わけがわからないほどです。
そうしているうちに、やがて、さっき奥の間のほうに、姿を消したふたりの警官が、やっと、もどって来ました。