Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
七
「やりましたよ、あんな風をしているくせに随分いやらしい三助じゃありませんか」
「御家人の竹とは懇意にしたことはあるまいネ」
「いえ」
お才の言葉は氷のように素気のない冷たさです。
「有難う。こんな事でよかろう」
平次は市蔵に礼を言って、もう一度湯屋へ引揚げて来ました。
釜前の板で拵えた台に腰を下ろして火を焚くんでもなくションボリしている丑松を見ると、
「また来たぜ、三助さん」
「あ、親分さん、いらっしゃい」
「お前、嘘を吐いちゃいけないよ」
「ヘエ――」
何という茫洋たる返事でしょう。
「お妾のお才に、変な事をしたそうじゃないか」
「と、とんでもない。私は、あんなあばずれは大嫌いで――」
丑松はムキになりました。その様子は満更嘘らしくもありません。
「それじゃ、何だってそんなに沈んでいるんだ」
「ヘエ――、嘘を吐くなとおっしゃるから申しますが、俺は、あの殺されたお嬢さんが可哀想で、可哀想で」
「なんだ、そんな事だったのか。大の男が泣く奴があるものか、みっともない」
平次は舌打を一つ、フラリと外へ出ました。
「どうしました、親分」
「さア解らねえ」
七
まる一日経ちました。平次は家に籠って底の抜ける様な冗談を言いながら、お静やガラッ八を相手に暮しましたが、翌る日の朝。