Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

どんな事なんだい」

銭形の平次は、上がり框へ煙草盆をブラ下げて来て、お駒に座蒲団などを持って来させました。

「昨夜、実は妙なことがあったんです。――言おうか言うまいか、相棒とも相談したんですが、此家のお神さんが殺されたり、旦那が怪我をなすった――ことを聞くと、黙ってもいられません」

「そうともそうとも、気の付いた事があったら、何でも話した方がいい。決して掛り合いなどにはならないようにしてやるから」

「有難うございます、実はこうなんで、親分さん――」

年取った方の駕籠屋の話というのは、実に奇怪を極めました。

――昨夜、亥刻少し過ぎ、この二町ばかり先の稲荷の祠の前で、降る雪を凌ぎながら、少し小止みになったら、馬道の方へでも出て、吉原通いの客を拾おうと相談をしていると、どこから出て来たか、チョコチョコと現れた一人の娘が、白い手拭を吹き流しに冠って、観音様まで大急ぎでやってくれと言ったのだそうです。

どうせ帰り道、相手は新造ですから、賃銀なんかいいかげんに定めて、駕籠の垂を上げると、娘は小風呂敷包みを持ったまま、馴れた調子でポンと乗りましたが、わざわざ寒い川岸を通らせて此家の裏口のあたりまで来ると、急に用事を思い出したから、ここで降ろしてくれ、と言うのです。