Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate
四
「千両箱の釣台を担いで来た人足は、陽のあるうちに、番頭の源助と一緒に深川へ引取った。住職は大夕立に降り込められて、目黒の檀家から帰ったのは薄暗くなる頃、――それから、途中から帰ったのが怪しいと言うなら、もう一人あるよ。寛永寺の役僧は、三千両の寄進に立会うはずで、昼過ぎから寺に来ていなすったが、引渡しが翌る日と決って、これも夕方引揚げなすったそうだ、――宵じゃねえが八兄哥に言わせると、これも怪しいんだろう、行って訊いてみな」
「へッ」
八五郎一ぺんに悄気てしまいました。河内山の芝居でも解る通り、寛永寺の役僧は見識のあったもので、町方の御用聞などは、指も差せるものではありません。
四
万七と清吉とガラッ八は、もう一度寺の中を隈なく見て廻りました。庫裡の八畳の床の間には、濡れた千両箱を三つ置いて、少し汚点になった跡が今でも判りますが、押入にも、納戸にも、床下にも、天井裏にも、須弥壇の下にも、位牌堂にも、竈の下にも、千両箱などは影も形もありません。小さいものと違って、かなり大きい上、一つ一つの重さが五六貫目もあるのですから、これだけ捜してなければ、まず寺内にはないものと思わなければなりません。