Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

六

「何とも申上げようがありません。昨夜は店卸しで、店の方がやけに忙しかったので、気になりながら四五日こちらは見廻り兼ねておりました。今朝暗いうちに使いが来て、本当に驚いてしまいました。坊っちゃんは、一番よく私になついておりましたが、何という奴の仕業でございましょう――」

気の弱そうな重三は、もう涙ぐんでさえおりました。

平次はこれだけ調べると元の仏間へ帰りました。もう一度、念入りに富太郎の死体を見ると、どこにも傷はないと思ったのは間違いで、右手も、左手も、生爪が少し剥けて、爪際から血がにじんでいるのです。しかし、それだけのことです。引付け際に苦しがってその辺を掻きむしったとしたら、これぐらいのことはあるべきはずです。

六

「親分、あの鬼の面はどこへ行ったでしょう」

ガラッ八はとうとう切り出しました。

「フーム」

「あの面を隠している奴が下手人に決ったようなものじゃございませんか」

「それは何とも言えないな。だが、ガラッ八」

「ヘエ――」

「面だけなら、すぐ見付かるよ」

「だから、どこにあるんで」

「二階の押入か、天井裏か、包の中を探してみな、そこになかったら、俺は十手捕縄をお上へ返すよ」