Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate
二
お通は追っ掛け、戸口まで出ましたが、もう男の姿はその辺に見えません。また一としきり、ぶり返した大降り、光る、鳴るの伴奏で、しばらくは面も向けられません。
二
その晩、清養寺の庫裡に置いた千両箱が三つ、煙のごとく消え失せてしまったのです。
寺の境内に起ったことは、寺社奉行の支配で、町方は関係しないのが普通ですが、揉事や公事沙汰と違って、人殺しや泥棒となると、寺社奉行の馴れない手先では始末におえません。
そこで、早速町方へ渡りがついて、与力笹野新三郎が係りとなり、谷中から浅草一帯を縄張にしている、三輪の万七を現場に走らせましたが、それだけではどうも気になってなりません。
「平次」
「ヘエ、御呼びで」
ちょうど八丁堀の役宅へ顔を出した、銭形平次が呼び出されました。
「寺社から頼まれて、万一手落ちがあっては町方の恥だ、御苦労だがお前も行ってくれ」
「ヘエ――」
平次はおよそ腑に落ちない顔を見せます。
「不服か、平次」
「とんでもない、旦那、御申付けに反く平次じゃございませんが、それでは三輪の兄哥の顔が潰れます」
「町方一統、――引いては御奉行の顔が潰れても構わぬと言うのか」