Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

「親分さん、お目出とう。三千両揚がったんですってね」

お通は背後から、美しい顔を差し覗かせました。

「お蔭で町方の恥にならずに済んだよ。これが見付かれば春木屋から百両の褒美が出るはずだ、お前にもとんだ苦労をさせたから、松吉と世帯を持つ足しに三十両やろう」

「あれ親分さん、そんな事を」

「あとの三十両で八の野郎に女房を持たせると」

「まア」

「まだ四十両残るが、これはお静と俺が湯治に行って、溜めた店賃を払って、残ったら大福餅の暴れ喰いでもするか」

「まア」

「が、それも捕らぬ狸の皮算用だ、三千両の金が手に戻ると春木屋はうけ合い百両出すのが惜しくなって、十両に負けろと言うぜ。その時は三両で我慢するんだぞお通坊、――世間並の金持は大概そうしたものだ」

「…………」

お通はシクシク泣いておりました。十日あまりの万七の厭がらせな責も、これですっかり償われたような心持だったのです。

それより可笑しいのはガラッ八でした。不意に店へ入って来て、聞くともなしに平次の述懐を聞くと、小さい舌打ちを一つ残して、およそ腹が立って腹が立ってたまらないといった様子で、元の往来へ飛出してしまったのです。