Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate
二
「それでは、何もかも申上げましょう。親分さん、聞いて下さい、こういうわけでございます」
二
石井三右衛門というのは取って六十八、配偶は五年前に亡くなりましたが、たった一人の倅三之助は、年寄りっ子の我儘育ちで、悪遊びから、とうとう勝負事にまで手を出すようになり、金看板のやくざ者になって、三年前に久離切って勘当され、二十五にもなるいい若い者が、妻恋坂の知り合いの二階に為すこともなくゴロゴロ暮しているのでした。
銀町の店には、養い娘のお縫という十九になる女と、手代ともなく引取られている甥の世之次郎とが、年寄りの世話を焼いておりますが、どちらも財産目当ての孝行らしくて、三右衛門の気には入りません。
大番頭は禄兵衛といって、名前の通りむつかしい四十男、これは三右衛門に代って店の支配をし、大勢の奉公人を取締っておりますが、正直一途で、金儲けや商売のことにかけては、鬼神のような男ですが、家の中の取締りはあまりよく行き届きません。
三右衛門の力と頼むのは、十三の年から足かけ十二年奉公したお町ただ一人だけ、これは赤の他人ですが、それだけに、財産に目をくれるでもなく、昔の人達にはよくあった本当の主人思いで、半身不随で寝たきりの三右衛門を、自分の親のように世話をしていたのです。