Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.455 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

――若旦那の三之助様は、それはそれは荒っぽい方でございますから、証文をどうかしてしまった頃、旦那様が正気に還ったりしては、私の申し訳も立ちません。そうかと申して、外にお願いするような身寄りもなし、ここへ飛込んだのを御縁に、どうぞしばらくこれをお預かり下さいませんか」

平次もしばらくは言葉もありません。

大抵のことには驚かないように訓練を積んでいますが、夢にも見たことのない五万両三万両という大金の証文を、こんな浅まな家に預かることを考えると、さすがに穏やかな気持ではいられなかったのです。

「驚いたな、お町さん、私もいろいろの目に逢ったが、石井三右衛門ともいわれる大金持の身上を、まるごと預かるようなことになろうとは思わなかったよ」

「それが、親分さんの信用でございます。あまり遅くなると店の方が面倒になりますから、これでお暇いたします。それではどうぞ」

「まア、どうも仕様があるまいが、お前さんはどうするつもりなんだい」

「私はこの桐の空筐だけ持って、妻恋坂へ参ります」

「危ないじゃないか、引っ返しなすったらどうだい」

「いえ、若旦那の三之助様に親御のお心持も伝え、それに、中味は親分さんに預けてあることも申さなければなりません」