Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
「あッ、これはたまらぬ」
驚いたのはその座にいる十幾人の人達でした。抹香と唐辛子に燻べられて、咳き込みながら逃げ出すと、それよりも驚いたのは、本尊の弘法大師様坐像でした。――いや弘法大師の坐像になりすましていた泥棒と言った方がいいでしょう。続けざまに咳き込みながら、
「なんという事をするのだ」
厨子から飛出すと、戒壇と木魚を踏んで、パッと外へ――。
「待て待て、山脇玄内」
続く銭形平次、ツ、ツツと前へ駆け抜けて、パッと両手を開いたなりに突っ立ちます。
「邪魔だッ」
「御用だぞッ」
「何をッ」
二人はパッと合って、もう一度左右に飛退きました。大師像に化けた曲者の手には匕首が、平次の手には十手が閃きます。
二度、三度、十手と匕首が鳴りました。平次にぬかりはなかったにしても、この曲者は思いの外の腕前です。
「灯だ」
平次は十手を左に持ち替えながら呶鳴りました。相手は稀代の忍術使いです。平次も一と通りの稽古をしたお蔭で、その術の発展だけは、巧みに妨げましたが、なにぶん薄暗い寺の庭で、いつ、どこへ姿を隠されるか解りません。
灯の来る前、曲者はもう一度平次に飛付きました。