Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
二
乗るか反るか、平次の出世試し、命にかけてもやってみましょう」
平次の若々しい顔には感興にも似たものがサッと匂って、身分柄の隔たりも忘れたように、胸をトンと叩いて見せました。
「御鷹狩の日取りは明後日だ。ぬかりはあるまいが、そのつもりで――。拙者には拙者の工夫がある、油断をすると、手柄比べになろうも知れぬぞ」
「ヘエ――」
二人は顔を見合せて、会心の微笑を交しました。与力と岡っ引では、身分は霄壌の違いですが、なんかしらこの二人には一脈相通ずる名人魂があったのです。
二
大塚御薬園、一名高田御薬園というのは、今の音羽の護国寺の境内にあったもので、一万八千坪の中に有名な薬師堂、神農堂をはじめ、将軍臨場の時のために、高田御殿という壮麗なる御殿まで出来ていました。
総檜の破風造り、青銅瓦の錆も物々しく、数百千種の薬草霊草から発する香気は、馥郁として音羽十町四方に匂ったと言われるくらい、幕府の御薬園の権威は大したもので、もとより岡っ引や御用聞などの近付ける場所ではありません。
与力笹野新三郎の屋敷を飛出した銭形平次、いきなり大塚へ飛んで来て、この薬臭い塀にヘバリ付きましたが、場所が場所だけに、どう工面しても入り込む工夫が付かないのです。