Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
銭形平次捕物控
一
一
話はガラッ八の八五郎から始まります。
「あら親分」
「…………」
「八五郎親分」
素晴らしい次高音を浴びせられて、八五郎は悠揚として足を止めました。粋な単衣を七三に端折って、懐中の十手は少しばかり突っ張りますが、夕風に胸毛を吹かせた男前は、我ながら路地のドブ板を、橋がかりに見たてたいくらいのものです。
「俺かい」
振り返るとパッと咲いたような美女が一人、嫣然として八五郎の鼻を迎えました。
「八五郎親分は、江戸にたった一人じゃありませんか」
「お前は誰だい」
「随分ねエ」
女はちょいと打つ真似をしました。見てくれは二十二三ですが、もう少しヒネているかもわかりません。自棄な櫛巻にした多い毛にも、わざと白粉を嫌った真珠色の素顔にも、野暮を売物にした木綿の単衣にも、包み切れない魅力が、夕映えと一緒に街中に拡がるような女でした。
「見たような顔だが、どうも思い出せねえ。名乗ってみな」
「まア、大層なせりふねエ、――遠からん者は音にも聞け、と言いたいけれど、実はそんな大袈裟なんじゃありませんよ、――両国の篠をお忘れになって、八五郎親分」
女は少しばかりしなを作って見せます。