Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
辛くも左手の十手を働かせて、その襲撃を退けた平次、右手が高々と挙がると、得意の投げ銭が、闇を剪って飛びます。
一つ、二つは避けましたが、三つ目に頬を打たれ、四つ目に唇を打たれ、五つ目に右手の指を打たれて、思わず匕首を取落したところへ、
「御用だッ」
平次の体当り見事に極って、曲者は石畳の上にどうと倒れました。
「それッ」
と折重なった野次馬、一瞬ののち銭形平次は、兇賊山脇玄内を、雁字がらめにして、埃を払っておりました。ちょうどその時、庭一パイに持出された灯で見ると、山脇玄内の顔は、小柄で皺だらけで、眼と口が大きくて、干大根のようで、――成瀬九十郎そっくりです。
が、曲者は口を緘んで物を言わず、平次もまたそれを聴こうともしません。
「本尊様はどこだ」
「どこへ持出した」
住職と檀家総代は、今さらながら空っぽのお厨子に気がつきました。
「御本尊は寺内にあるに違いありません。それはこの曲者の手口です」
「寺内? どこでしょう、親分」
「おいおい判るでしょう」
「どうしてお厨子の中なんかへ曲者は入っていたのでしょう、親分」
いろいろの質問は八方から飛びます。
「薄明るいうちに御本尊を持出して、寺内に隠し、しばらく人目を誤魔化すために、自分で本尊になりすましたのでしょう」