Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
「出やしません。日が暮れるとお稽古がなくなったから、早御飯にして、和助さんと無駄話をしたり、ウンスン歌留多をやったり、亥刻(十時)前に寝てしまいましたよ」
「和助というのは?」
「私の遠い従兄ですよ、――ちょいと、和助さん、銭形の親分さんに御挨拶をしておくれ」
「…………」
お舟に呼ばれて、黙って出て来たのは、本当に物の汚点のような男でした。恐ろしく高い背を二つ折にして歩くのですが、別に不具合な様子はなく、竹のように長くて武骨な手足、呆けたように陰気で無表情な顔、油っ気のない髷、どこから見ても、お舟と一緒に置いて、「男性」の不安を感じさせるような人間ではありません。
弟子達の下足を揃えたり、水を汲んだり、使い走りをしたり、下女を手伝って雑巾掛をしたり、お舟にとっては、色気がないだけに、申分のない用心棒でもあったのでしょう。
「昨夜お舟はどこへも出なかったね、和助」
平次は声を掛けました。
「ヘエ――、私も師匠も、ここから外へ一と足も出ませんよ」
そう言って和助は敷居を指すのです。
「下女は?」
「母親が病気で三日前に房州へ帰りましたよ、――今日は戻るはずですが」