Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
「ヘエ――」
八五郎はまことにさんざんの体です。
「山名屋には主人を殺すようなのは、一人もいねえ。流しの押込でなきゃ怨みのある人間の仕業だ。主人が雨戸を開けてやったところをみると、流しの押込でないことも判り切っている。あの五左衛門は女癖は悪いが、金離れがいいから、思いのほか町内では評判のいい男だ。お篠でなきゃ、お篠に掛り合いの人間の仕業に違えねえ。すぐ行って来い」
平次の調子は火のように猛烈です。
「ヘエ――」
「万一手前の名前なんか出ると、十手捕縄の返上ぐらいじゃ済まねえぞ」
「ヘエ――」
八五郎は全く追っ立てられるように飛んで出ました。こんなに脅かされたことはありません。
三味線堀へ行って捜すと、お篠の隠れ家はすぐ判りました。路地の奥の奥の、置き忘れたようなささやかな長屋。
「お篠は居るかい」
八五郎が精一杯野太い声をかけると、
「まア、八五郎親分」
妙に物なつかしそうな声と一緒に、嫣然としたお篠の笑顔が現われます。
「来い、太え女だ」
八五郎は飛付いて、お篠の手頸をギュウと掴みました。
「あッ、何をするのさ、気障だね」
お篠はカッとなって、競い立った雌猫のように逆毛を立てました。