Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate
「先生の大事にしてる雪駄だよ」
「本当か」
「間違いはないだ、二分もした雪駄だって自慢をしていただ」
「ところで今朝、見馴れない麻裏草履があったはずだが――」
「庭の方に変な焼印を捺した麻裏があっただよ。見付けて持って来ると、先生がいかく怒って、そんなものを置いちゃならねえって神田川へ持って行って捨てただ」
下女の話は一つ一つ証拠の裏付けをして行きます。
「八、これで沢山だろう、来いッ」
平次は八五郎を促して奥へ踏込みました。
「御用ッ」
「閑斎御用だぞッ」
がしかし、主人石沢閑斎が居るはずの奥の一と間は空っぽ。
「親分」
「八、風を喰らったか」
二人はしばらく顔を見合せるばかりでした。
「これは何だ」
平次が取上げたのは、机の上に、封を切ったまま載せた手紙が一通。
「女の筆蹟じゃありませんか、親分」
「あッ、――こいつはお澪の遺書だ、伝吉と一緒に死ぬつもりだぜ、八」
くりひろげると、哀れ深く綴った文句は、――父親の非道を責めながらも、添い遂げ兼ねる伝吉と一緒に死んで行くことが、先立つ不孝の罪――といった極り文句で書いてあるのです。
「父親が周助を殺したことも、大方察していたんだね、――雪駄の事を問い詰められて、自分のだと言った時、伝吉はもう閑斎の罪を覚ったんだろう」