Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate
四
「寝込んでしまって、枕元を誰か通ったのを知らないような事はあるまいな」
「それはもう大丈夫で、ヘエ」
文吉は牡丹餅判が欲しそうな顔でした。
四
三河屋へ行ってみると、家の中は悲歎の渦でした。老主人夫婦の他には、雇人ばかりですが、その雇人達が、ただ一と粒種の三河屋の希望を喪った悲しみに浸り切って、しばらく平次と八五郎に取り合う者もない有様です。
主人の嘉兵衛が、涙を納めて、平次を迎えるまでには、たっぷり四半刻もかかりました。祭りのどよみも静まり返ってさしもの賑わいも、今日の一段落を告げましたが、三河屋の家の中ばかりは、まだ歔欹の声が、どこからともなく響いて、人の心を滅入らせます。
「何か、心当りはないでしょうか、旦那」
苗字帯刀まで許されている嘉兵衛に対しては、岡っ引の平次も遠慮はありました。
「いや何にも、――扇を取りに踊屋台へ行ったというのも後で下女から聴いたことで」
一代身上を築いた嘉兵衛は意志の権化のような剛毅な男ですが、今晩はすっかり愚に返って、ともすれば湧く涙を拭うばかりです。
「手拭はお嬢さんの持物でしたね」
「その通りだよ、親分」
「申上げにくいことですが、近頃お嬢さんが親しくしている男はなかったでしょうか」