Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

七

やはり勝蔵じゃなかったんだろう、――念のために水を一と釣瓶汲んでみろ――井戸へ沈めた様子もないだろう」

「…………」

「ところで八、俺は近頃朝顔を咲かせて楽しんでいるが、自分で育てると、草花も、我が子のように可愛いものだ」

「…………」

平次が人殺しの現場で、いきなり朝顔の話を始めたので、ガラッ八も呆気に取られております。

「草花を可愛がる心持は、また格別だよ。自分で育てないのでも、折れたり、散らされたりすると、我慢が出来ない」

「…………」

「駒次郎を殺した下手人は、朝顔の垣を除けて大廻りして逃げている。こんな優しい人殺しは珍しかろう」

「…………」

「荒っぽい男や、浪人者の仕業じゃねえ」

「…………」

「八、俺はもう下手人探しが厭になったよ。こんな時は熱いお茶でも飲んで、休むんだね」

平次はそんな事を言いながら、塀隣のお勢の家へ引揚げました。

七

「まア、親分」

「お勢、これはどうした」

家の中はガランとして、下女の姿も見えない上、昨日までは、あんなに厚化粧の若作りだったお勢が、白粉も紅も洗い落して、元の素顔に、無造作な櫛巻、男物のような地味な単衣を着ているのでした。