Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate
一〇
一〇
「ところで、つかぬ事を伺いますが、御当家の兵糧丸処法が紛失したことはございますまいか」
平次はいきなり話頭を転じました。
「いつぞやも、そのような事を訊ねて来た男があった――が、南部兵糧丸は天下知名の秘薬じゃ。臣下といえども濫りに知ることは相成らぬ。殊に、泰平の今日、兵糧丸などはまず世に出ぬ方がよいとしたものであろう」
「恐れ入ります」
「御領地盛岡の不来方城宝蔵に什襲してあるが、それが何とか致したか」
「いえ、――ところでその兵糧丸を用いられたのは、いつの事でございましょう。一番近いところで――」
「左様、近頃はトンと聞かぬが、天正十八年(一五九〇)に一族九戸政実が叛いた時、南部の福岡城で用いたということが伝わっている」
「どちらが用いましたので」
「攻め手は南部藩に、仙台会津の援兵二万人という大軍だが、兵糧も充分あり、兵糧丸の世話にはならなかった。敵は謀叛人の九戸政実一族五千人、福岡城を死守したから、そのとき城中に貯えてあった南部の兵糧丸を用いたことと思う。もっとも兵糧丸の法書きは盛岡の不来方城から一度も出した事がない」
「九戸政実の一族はどうなりました」