Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

三

「ともかく、末広町へ参ってみましょう」

「御上屋敷は?」

大垣伊右衛門です。

「末広町の棟梁が、お屋敷へ絵図面を持って参って、お二人にお目にかけるまで、誰か手を掛けた者がなかったでしょうか」

「藤兵衛の家では、どんな事があったか知らぬが、御上屋敷へ持参したのは藤兵衛と弟子の良助の二人で、我等両人と逢うまで、絵図面は二人の側に引付けて、寸刻も眼を離さなかったということだ」

「それじゃ、絵図面は棟梁の家で無くなったに決っております。早速末広町へ参りましょう」

平次は立ち上がって、もう出かける支度をしております。

三

末広町の藤兵衛というのは、かつては御大工頭中井主水の配下で、御城大工としては、江戸でも名誉の大棟梁、その後、扶持を離れて、諸藩の御用を承り、多勢の弟子を養っておりますが、絵図面の紛失に、よくよく思い詰めたものか、この日の朝、磨ぎすました鑿で、喉を突いて相果てたのです。

平次とガラッ八が二人の武家に伴れられて行ったのは、この騒ぎの真っ最中、血潮と線香の匂いの瀰漫する中へ踏込んで、さすがの平次も胸を痛めましたが、背後には、もっと大きな災害が控えていることを考えて、委細構わず探索の手を拡げたのでした。