Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate
四
「恐れ入りますが、もう三日ばかり御待ち下さいまし」
一時逃れと解っても、平次はそう言うより外には言葉もなかったのです。
悄然として八丁堀から帰って来ると、これも真剣に心配しているには相違ありませんが、物に遠慮のないガラッ八が、
「親分しっかりしておくんなさい、世間じゃそう言ってますぜ――銭形のもタガが弛みはしないかってね。江戸中の医者が種切れになった日にゃ全く、風邪も引けねえことになりますぜ」
「馬鹿野郎」
平次はムズムズするほど腹を立てましたが、さすがにガラッ八を殴りもなりません。
四
「親分、一色道庵が帰って来ましたぜ」
「何?」
「先刻御納戸町を通ったから、ちょいと覗いてみると、一色の家は盆と正月が一緒に来たような騒ぎだ」
「そりゃア不思議だ。とにかく行ってみよう」
平次はすぐ飛出しました。もう戌刻(八時)過ぎ、夕方から吹き始めた名物の空っ風に、頬も鼻も、千切れて飛びそうな寒さですが、平次の探求心はかえって火のごとく燃えさかります。
「親分、早え足だなア、そんなに急がなくたって大丈夫だよ。一色道庵は、向うから駕籠で送り届けられたんだから、当分消えて無くなるわけはねえ」