Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate
銭形平次捕物控
一
一
「あ、あ、あ、あ、あ」
ガラッ八の八五郎は咽喉仏の見えるような大欠伸をしました。
「何という色気のない顔をするんだ。縁先で遊んでいた白犬が逃出したじゃないか、手前に喰い付かれると思ったんだろう」
のんびりした春の陽ざしの中に、銭形平次も年始疲れの、少し奈良漬臭くなった足腰を伸して、寝そべったまま煙草の烟の行方を眺めていたのです。
「だがね、親分、正月も三ヶ日となると退屈だね。金は無し、遊び相手は無し、御用は無し、――そこで考えたんだが、二度年始廻りをする術はないものでしょうか――明けましてお目出とう、おや八さん、昨日も年始に来たじゃないか、ヘエー、そんなはずはないんだが、あっしは暮から風邪を引いて今日起き出したばかりですよ、それはたぶん八五郎の偽者でしょう――なんて上がり込む工夫はないものかな」
八五郎の想像は、会話入りで際限もなく発展して行きます。
「馬鹿野郎、――よくそんな間抜けな事が考えられたものだ」
「――それも樽を据えた家に限るね、一升買いの酒じゃ、飲んでも身にならねえ」
「呆れた野郎だ」
「でなきゃア、御用始めに、眼の玉のでんぐり返るような捕物はないものかなア。