Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

――石津右門というのは、五十前後の鬼が霍乱を患ったような悪相の武家、眼も鼻も口も大きい上に、渋紙色の皮膚、山のような両肩、身扮も、腰の物も、代表型な浅黄裏のくせに、声だけは妙に物優しく、折目正しい言葉にも、女のような柔かい響きがあります。

大垣伊右衛門というのは、それより四つ五つ若く、これは美男と言ってもいいでしょう、秀でた眉、高い鼻、少し大きいが紅い唇、謡いの地があるらしい錆を含んだ声、口上も江戸前でハキハキしております。

「私が平次でございますが――御用は?」

平次は静かに顔をあげました。

「外ではない。町方の御用を勤める平次殿には、筋違いの仕事であろうが、人間二人三人の命に係わる大事、折入って頼みたいことがあって参った――」

石津右門は口を切るのです。

「拙者はさる大藩の国家老、ここにおられる大垣殿は江戸の御留守居じゃ。恥を申さねば判らぬが、三日前、当江戸上屋敷に、不測の大事が起り、拙者と大垣殿は既に腹まで掻切ろうといたしたが、一藩の興廃に拘わる大事、一人や二人腹を切って済むことではない。――とやこう思案の果、さる人から平次殿の大名を承り、良き知恵を拝借に参ったようなわけじゃ――」