Classici giapponesi con furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Leggi 食道楽 (くいどうらく) di 村井 弦斎 (むらいげんさい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 170.664 caratteri · 341 schermate
現に私の知た家で舌を注文した処が大層大きくって直段の廉い舌を持って来たそうです。これは大層徳用だと思って料理してみたら何ほど煮ても硬くって食られなかったと申しますが、全く牡の舌を売り付られたのです。尾もその通り牡のは牝の倍もありますがとても食られません」妻君「そうでございますかね、牛は全体どういうのが美味うございましょう」お登和嬢「場所で申せば神戸牛といって中国筋の者が良いので上総房州から出る地廻りは味が悪うございます。同じ場所の牛でも激しく労働させた牛は味が悪くって楽にしている牛が味も良いのです。それも老牛の肉は同じ牝でも味が大層悪いので、よく牛肉屋から老牛のヒレ肉やロース肉を持って参りますけれども硬くって料理に使えません。若牛のロース肉と老牛のロース肉とを並べてみますと老牛の方は筋が深く肉へ入っていて肉の幅が狭うございます。牛肉のお料理を拵える時にはそういう処から検べて参らなければなりません。よく世間の人は何処の牛肉屋が廉いとか高いとかいって肉の分量ばかりかれこれ申しますがあれこそ料理の趣味がない証拠で分量の多寡よりも品質の良否を選ばなければなりません。